インターネットの検索窓で時折見かけるオニツカタイガーダサい噂の真相を追究すると、日本特有の世代間ギャップと視覚認知のバイアスが浮かび上がってきます。
昭和から平成初期にかけて、アシックスの前身であるオニツカタイガーのストライプデザインは、全国の中学・高校の体育館シューズや部活動のトレーニング靴として広く普及していました。そのため、一定以上の世代において「学生時代の運動靴」という生活実感がノスタルジーを超えて所帯じみたイメージと結びついていた時期があったのは事実です。
しかし、現在のコレクションを構成する木型(ラスト)やマテリアルは当時と完全に一線を画しています。アッパーのレザーには厳選された牛革や柔らかなゴートレザーが惜しみなく使われ、極限までシェイプされたトゥラインと薄型のソールが、現代のワイドパンツやロングスカートの足元に絶妙な「抜け感」を生み出します。かつての運動靴という固定観念は、グローバルな文脈で再解釈された洗練のデザインによって完全に過去のものとなりました。