経済面での最大の焦点は、貿易協定の再検討とサプライチェーン再構築の波だ。とりわけ、USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)の見直し作業を控え、メキシコへの製造業投資(ニアショアリング)は空前の盛り上がりを見せている。アジア依存からの脱却を目指す欧米企業の資金が北部工業都市に集中する一方、インフラ不足や電力供給の不透明さが深刻なボトルネックとして浮上している。
ある日系製造業の現地法人工場長は「地政学的優位性は圧倒的だが、治安コストとエネルギー政策の不安定さが事業計画を狂わせる」と指摘する。治安悪化による物流コストの増大は、急速な経済成長の足元をすくう最大の脅威だ。