両国の物理的距離を縮める画期的な転換点となったのが、日本・ブラジル間のビザ免除(最新運用)です。2023年9月30日より、一般的なパスポートを所持する両国国民が90日以内の短期滞在(観光、商用、親族訪問等)を目的とする場合、事前に査証を取得することなく相互に入国できるようになりました。2026年の現在もこの協定は円滑に継続されており、煩雑な大使館での手続きや申請費用の負担が解消されたことで、渡航の心理的ハードルは大幅に下がりました。
ただし、移動そのものの物理的負荷が変わったわけではありません。日本とブラジルの距離はまさに地球の反対側であり、直線距離で約1万7,000〜1万8,000キロメートルに及びます。現在、両国を結ぶ定期直行便は存在せず、航空機を利用する場合は中東(ドバイやドーハ)、北米(ヒューストンやシカゴ)、あるいは欧州(フランクフルトやロンドン)を経由する必要があります。
乗り継ぎ時間を含めた総移動時間は最短でも約24時間、一般的な旅程では28時間から32時間程度を要します。また、ブラジルと日本の時差計算は極めてシンプルながら過酷です。ブラジリアやサンパウロの標準時(UTC-3)と日本標準時(UTC+9)の時差はちょうど12時間。日本の昼12時は現地の真夜中0時となります。昼夜が完全に逆転するため、現地到着後や帰国後の体内時計のリセットには周到なコンディショニングが欠かせません。