心身が限界を迎えている際、多くの人が陥る致命的な過ちが「気分転換のために無理に活動すること」です。
周囲からの「たまには旅行でも行ってパーッと遊んできたら?」「運動して汗を流せばスッキリするよ」という善意のアドバイスに従い、週末に出かけてかえって容体を悪化させてしまうケースが後を絶ちません。心が枯渇している状態でのレジャーや運動は、回復どころか消耗した神経バッテリーへのさらなる負荷(エネルギーの過剰消費)にしかなりません。
休養学(Rest and Recovery Science)において、休息は大きく2つに分類されます。 一つは、スポーツや趣味などを楽しんで活力を得る「積極的休養(アクティブレスト)」。もう一つは、睡眠や安静によって心身の消耗をゼロに戻す「消極的休養(パッシブレスト)」です。
「何も楽しくない」「疲れた」と感じている時期は、積極的休養を受け付ける受け皿そのものが壊れています。この段階で必要なのは、楽しさを生み出す活動ではなく、五感に入る刺激を極限まで減らし、擦り切れた神経を平穏に戻す消極的休養の徹底です。「せっかくの休みだから何か有意義なことをしなければならない」という強迫観念を捨て、ただ天井を眺めて横になることを自らに許可することが、真のリセットへの第一歩となります。