鍛治舎監督の後を継いだ藤井潤作監督は、県岐阜商のOBであり、現場の息遣いを誰よりも熟知する人物です。前体制下でも指導スタッフとして鍛治舎野球を間近で支え、全国基準の体作りや戦術眼を吸収してきました。
藤井監督の真骨頂は、就任直後から発揮された卓越したマネジメント能力にあります。就任から1年足らずで迎えた創部100年目の節目に見事甲子園出場を果たすと、甲子園の舞台で鮮烈な印象を残しました。象徴的だったのが、延長11回タイブレークの激闘を再逆転で制した一戦です。試合後のインタビューで指揮官は開口一番、「子どもたちを誇らしく思う。力の差はあると思っていたが、よく粘ってくれた」と語り、選手への絶大な信頼を口にしました。
さらに、春夏連覇を狙う東の横綱・横浜高校との準々決勝を前にしては、「7回までに3点以内の勝負に持ち込めれば終盤に勝機はある」と公言。公立校が私学の強豪を相手にどう戦うべきか、徹底したデータ分析とロジカルな配球・守備シフトで渡り合いました。藤井監督が掲げる「考える野球」は、単なる精神論ではなく、状況判断を選手自身に委ねる自立型のアプローチとしてチーム内に浸透しています。