近年のサッカーファンが最も注視してきたのが、バロンドール受賞者である主将ルカ・モドリッチの代表引退と現在のステータスです。30代後半を迎えて以降、大会ごとに「これが最後の花道か」とメディアで騒がれてきましたが、モドリッチは衰え知らずの運動量と研ぎ澄まされたゲームメイク力で代表にとどまり続け、2026年北中米ワールドカップを見据えた予選ロードでも要所を締めています。
現地報道によると、モドリッチ本人は「チームが自分を必要とし、自分が最高峰のパフォーマンスを提供できる限り、祖国のためにピッチへ立ち続ける」と語っており、ピッチ内外で若手へ「勝者のメンタリティ」を継承する役割を担っています。かつての黄金世代であるラキティッチやマンジュキッチが代表を去る中、彼が最後尾ではなく最前線で走り続ける姿勢そのものが、組織の規律を引き締める最大の推進力となっています。
そして、この個性派集団を2017年から束ねているのが名将ズラトコ・ダリッチ監督です。ダリッチの指導方針は複雑なポジショナルプレーの強制ではなく、選手の自主性と「家族(Obitelj)」と呼ばれる強固な結束力の構築に主眼を置きます。大手スポーツ紙の独占インタビューでダリッチは次のように語っています。
「我々の戦術の根幹は信頼だ。戦術ボードの矢印よりも、チームメイトのためにあと1メートル走れるかどうかが勝敗を分ける。選手たちには『家族のために走れ』と常に伝えている」
エゴの衝突で空中分解しがちだった旧ユーゴ圏のチームにおいて、ダリッチは徹底してチームファーストを植え付け、安定した長期政権を築き上げています。