4代朝潮の指導者人生において、避けて通れない最大のテーマが朝青龍の師匠としての波乱に満ちた日々です。若松部屋時代に見出したドルゴルスレン・ダグワドルジ(朝青龍)の並外れた身体能力と闘争心を見抜き、入門からわずか数年で第68代横綱へと育て上げました。連勝街道を突き進み、平成の大横綱として土俵に君臨した朝青龍の快進撃は、高砂部屋の名声を一気に高めました。
しかし、その栄光の裏側には指導者としての凄絶な心労が存在していました。サッカー騒動や土俵外でのトラブルなど、朝青龍が世間の耳目を集める騒動を起こすたび、師匠である高砂親方は日本相撲協会からの処分を受け、連日の報道陣の厳しい追及に晒され続けました。当時の会見場で見せた憔悴しきった表情や、深々と頭を下げる姿を覚えている相撲ファンは少なくありません。
それでも、師匠は愛弟子を見捨てることはありませんでした。当時の特番インタビューや親方自身の著述において、師匠は「あいつの相撲に対する純粋さや家族想いな一面は、誰よりも自分が理解している」と述懐しています。厳罰に処されながらも、最後まで弟子の本質を信じ庇い続けたその包容力。SNSや相撲コミュニティでは今なお「大ちゃん親方でなければ、朝青龍という怪物を横綱に育て上げることは到底できなかった」と、その度量の深さを評価する声が根強く囁かれています。