王直の戦闘力や悪魔の実の能力は、作中ではまだ明確に明かされていません。しかし、彼が所属していたロックス海賊団の序列や歴史的背景を照らし合わせると、その実力は四皇最高幹部を凌駕し、旧世代の「四皇級」に匹敵していた可能性が極めて濃厚です。
覇気の練度と悪魔の実の推測
ゴッドバレー事件当時のロックス海賊団は「実力主義の無法集団」であり、船長ロックス・D・ジーベックのもとで仲間殺しすら日常茶飯事でした。その過酷な環境で幹部として生き残り、白ひげやカイドウらと肩を並べていた王直が、最高峰の「武装色の覇気」「見聞色の覇気」、さらには「覇王色の覇気」の纏いを体得していたことは想像に難くありません。
また、海賊島の元締として海賊たちを統率していた点から、広範囲を制圧できる超人系(パラミシア)能力、あるいは中国神話や東洋の伝説に由来する動物系(ゾオン)古代種・幻獣種の能力者であったという説がファンの間でも有力視されています。
実在した大海賊「汪直(王直)」との類似点
尾田栄一郎先生が描くキャラクターの多くには歴史上の海賊モデルが存在しますが、王直のモデルは16世紀の明代に実在した伝説の倭寇首領・密貿易商人「汪直(おうちょく / 五峰)」です。
史実の汪直は、日本の平戸や五島列島を拠点にして巨大な海上密貿易ネットワークを築き、「徽王(きおう)」と自称して私設艦隊を率いた大物でした。日本に初めて鉄砲を伝来させたポルトガル人を種子島へ案内した人物としても知られています。
この歴史的事実は、ワンピースの王直が「ハチノスという無法地帯を牛耳る元締」として莫大な富と兵力を握っていた設定と見事に合致します。単なる力任せの荒くれ者ではなく、強大な武力と裏社会の統率力・経済力を兼ね備えた大物フィクサーであったことが窺えます。