誰もがスマホ画面を開けばAmazonで翌日には本が届き、Netflixで無限に動画コンテンツを消費できる時代になった。しかし、出版業界全体がデジタルシフトの波に洗われるなかで、古書業界、そして芳賀書店の持つフィジカルな強みはむしろ際立ちを見せている。
アルゴリズムによって最適化されたオンラインショッピングでは決して出会えない、「たまたま隣の棚にあった未知の本」との偶然の巡り合い。これこそが実店舗に足を踏み入れる最大の醍醐味だ。便利さと引き換えに失われつつある「探す楽しさ」「手にとる喜び」を、神保町の静寂と紙の香りが思い出させてくれる。