その確信は、一夜にして激しい怒りへと裏返る。2023年早春、今井が選んだのは、かつて激突した自由民主党への電撃的な移籍だった。しかも、総選挙で拳を交えた古屋圭司の後援会関係者が同席する記者会見での発表という、あまりにも劇的な舞台装置付きで。
「理念の敗北」「政治的裏切り」――メディアやネット上には辛辣な言葉が溢れかえった。立憲民主党幹部だった泉健太も「到底許されない」と公然と怒りを露わにし、彼女を除籍処分とした。なぜ彼女は、自らの看板を叩き割るようなリスクを冒してまで保守の軍門に降ったのか。表面的な政策合意の裏には、野党のままでは地元・多治見のインフラ整備や産業振興に直結する権力を握れないという、地方政治特有の冷徹なプラグマティズムがあった。理想を掲げて干上がるより、泥をかぶってでも中央パイプを握る。若き政治家の下した決断は、美談を求める有権者への強烈なカウンターパンチとなった。