サクッとした軽やかな歯ざわりの直後に、力強い米の甘みが押し寄せる。この絶妙な食感を生み出しているのが、丸米製菓株式会社に伝わる独自の多工程製法だ。
米菓づくりは生き物相手の仕事に等しい。もち米を蒸し、搗(つ)き、冷やし固めて裁断する。その後、生地内部の水分を均一に抜く「枯らし」と呼ばれる乾燥工程に何日も費やす。季節やその日の湿度、気温のわずかな変化を敏感に察知し、乾燥室の風量や火加減を微調整するのは、長年の修練を積んだ和菓子職人の研ぎ澄まされた感覚だ。
一般的な量産工場のように工程を急げば、生地に微細な亀裂が入り、焼いた際に均一な気泡が生まれない。あられ・おかきの命とも言える繊細な口どけは、時間を惜しまず生地を休ませるという、昔ながらの愚直な手仕事によってのみもたらされる。