小学校教員のキャリアを考える上で避けて通れないのが、公立と私立における待遇差です。文部科学省の学校教員統計調査などを紐解くと、両者の間には明確な特徴と格差が存在します。
公立小学校は地方公務員であるため、給料表は各自治体の条例に準拠し、年齢や経験年数に応じて確実に昇給していきます。また、僻地手当や地域手当(東京23区で基本給の20%など)の手厚い補正が加わるため、どの自治体に勤務しても一定水準以上の生活が担保されます。
対する私立小学校は、運営母体である学校法人の経営基盤によって年収が二極化しています。大学系列の名門附属小学校や伝統校では、40代で年収850万〜1000万円近くに達するケースも珍しくありません。私立校は公立と異なり労働基準法が厳格に適用されるため、時間外手当が分単位で全額支給される法人も存在します。
しかし、少子化の影響を受ける新設校や地方の私立小学校では、公立の給与水準を下回るケースや、賞与の支給月数が経営状況によって大きく乱高下するリスクを孕んでいます。さらに、私立では「専任教諭(正規雇用)」の採用枠が極めて狭く、数年単位の有期雇用である「常勤講師」や授業コマ数ごとに報酬が支払われる「非常勤講師」が現場の多くを占めている実態も見逃せません。安定した生涯賃金を優先するならば公立、高待遇や教育理念の一貫性を追求するならば名門私立、という明確な住み分けが成立しています。