水産卸売市場において、天然ヒラメはキロあたり数千円の値がつく高級魚の地位を堅持しています。一方で、カレイ(マコガレイやマガレイなど)は比較的手頃な価格帯で流通することが多く、この価格差は「生態の違いによる歩留まりと食感」に起因しています。
ヒラメはエサを追って俊敏に泳ぎ回るため、全身の筋肉組織が緻密に発達しています。特に背びれや尻びれの付け根にある筋肉「えんがわ」は、1尾からわずかしか取れない希少部位でありながら、コリコリとした独特の歯ごたえと上質な脂が乗っており、高級すしダネとして高く評価されます。
一方、カレイは海底にじっと潜んで過ごす時間が長いため、身質は水分が多く繊細で柔らかいのが特徴です。大衆魚として親しまれるカレイですが、大分県の「城下かれい」や青森県の「風合瀬(ふかうせ)カレイ」のように、特定の海域で育ったブランドカレイに関しては、ヒラメを凌駕する超高値で取引される例外もあります。