農林水産省は現在、食料自給率の維持や農家の高齢化対策として、新規就農者に対する各種給付金や移住支援策を精力的に推し進めている。若者が農業に挑戦しやすい環境づくりが整いつつあるのは事実だ。しかし、資金面の支援が充実する一方で、現場におけるコミュニティ形成の難しさまでは国の制度でカバーしきれない。
脱サラして農業を始めたものの、地域特有の「無言の了解」や「相互監視」の空気に耐えかねて途中で撤退するケースは後を絶たない。助成金制度を活用して移住した若者が、地元の慣習に馴染めず孤立してしまう構造は、行政側も頭を悩ませる長年の課題となっている。