手荒れを早く治したい一心で、多くの人が取り入れている「クリームを塗ってシルク手袋をして寝る」という習慣ですが、ここには皮膚科学的な盲点が潜んでいます。
寝るときのシルク手袋の保湿効果は、確かに寝具への油分移りを防ぎ、適度な湿度を保つ面で有効です。しかし、吸湿性の高すぎる素材を毎晩長時間着用すると、手肌本来の水分まで手袋繊維が吸い上げてしまい、かえって乾燥を助長するケースがあります。さらに、汗をかきやすい体質の人が通気性の悪い手袋を使うと、内部が蒸れて皮膚常在菌のバランスが崩れ、汗疱(かんぽう)や湿疹を引き起こすリスクが高まります。
また、べたつかない塗り方のコツにも明確なセオリーが存在します。いきなり冷たいクリームを肌に乗せてゴシゴシ擦り込むのは厳禁です。摩擦刺激がバリア機能を破壊するため、以下の手順を徹底してください。
1. 手のひらで10秒ほど温めて油分をやわらかくする。
2. 手の甲に置き、反対の手の甲を重ねて優しく面で広げる。
3. 指の側面、爪の生え際(甘皮部分)へ向かって、力を入れずに滑らせる。
4. 最後に手のひらに残った余剰分のみを軽く伸ばす(手のひらは皮脂腺がなく角層が厚いため、過度な油分は不要)。