日本全国の施工現場で型枠大工へのヒアリングや現場検証を行うと、図面上の割付通りにいかない実態が浮き彫りになります。配筋密度の高い柱・梁取り合い部では、セパレーターが主筋やあばら筋(スターラップ)に干渉し、計画通りの位置に通せないトラブルが頻発します。
熟練の型枠大工による「セパ引き」の基本手順は以下の通りです。
- 墨出し・通り確認:床スラブの地墨から壁厚ラインとセパレーター穴位置(下段・中段・上段)を正確にけがく。
- 建て込みとセパ通し:片側(返し側)の型枠パネルを建て起こした後、鉄筋の網目を縫うように丸セパを挿入。干渉する場合は上下に15度以内の振れ角で逃がすか、構造設計者の確認を得て増しセパ(直近に予備配置)を施す。
- 対向パネルのセットと建入れ直し:対向側の型枠を建て込み、Pコンの先端を型枠穴に正確に導き入れる。2人1組で声掛けを行いながら通りを確認し、セパレーターが斜めに引っ張られていないか目視点検する。
- 端太材(パイプ)締め:縦バタ・横バタの単管パイプを流し、フォームタイのクサビおよびナットで均等に本締めを行う。
現場職人の証言によると、「最も危険なのは、下段1段目のセパレーターの締め忘れやPコンの噛み込み不足」です。コンクリート打設開始直後、バイブレーターの強烈な振動と生コンの落下衝撃が集中する下端部は、わずかな隙間からノロ(セメントペースト)が噴出し、連鎖的にセパが抜けて型枠崩壊に至るケースが報告されています。