SNSや大手クチコミ掲示板で叙々苑焼肉のたれのまずい噂の真相を追究していくと、低評価を下しているユーザーの声には明確な共通項が見受けられます。「とにかく甘ったるくて肉の味が消える」「ごま油の油分が強すぎて後半にくどくなる」「店舗で食べた感動と何かが違う」といった指摘です。
この違和感の正体を解き明かす鍵は、叙々苑が貫く「下味(もみダレ)の哲学」にあります。叙々苑の店舗で提供される焼肉は、職人がサシの入った上質な和牛に濃厚なたれをしっかりと揉み込み、強火の無煙ロースターで余分な脂を落としながら香ばしく焼き上げるスタイルが原点です。そのため、市販ボトルも一般的な醤油ベースのサラサラした「後付けだれ」とは異なり、糖度が高く、すりごまとごま油が贅沢に乳化された濃厚な配合比率で作られています。
ところが、家庭でこのたれを使う際、スーパーの安価な輸入牛や脂身の少ない赤身肉に対し、焼いた後から小皿で「ドバドバと浸すつけダレ」として使ってしまうケースが後を絶ちません。強火でメイラード反応を起こしていない状態の濃厚なたれを生肉や焼き上がった肉にそのまま纏わせると、調味料由来の強い甘みと油分が舌を直撃し、「くどい」「まずい」という感覚へと直結してしまうのです。
味覚心理学の観点からも、人は「高級=洗練されたさっぱりした旨み」を先入観として期待しがちです。そこに昭和の焼肉文化を色濃く残す、ガツンと甘辛く重厚なパンチが押し寄せることで、期待値と実体験の間にギャップが生じる構造が浮き彫りとなっています。