スポットオン製剤の効果を100%発揮させ、副作用や誤飲事故を防ぐためには、正確な滴下テクニックが欠かせません。犬と猫それぞれの生体構造に合わせた投与手順を確認しておきましょう。
【犬編】フロントラインの正しい使い方とコツ
犬への投与における基本は、犬自身が決して舌で舐め取ることができない位置へ確実に滴下することです。
- 滴下ポイント:首の後ろ(後頭部から首の付け根)および両肩甲骨の間の1〜2箇所。大型犬の場合は背骨に沿って数箇所に分散させて滴下します。
- 毛をしっかりかき分ける:被毛の上から垂らすと毛に薬液が吸収されてしまい、皮脂腺へ成分が移行しません。地肌(皮膚)が完全に露出するまで毛をかき分け、ピペットの先端を直接皮膚に密着させて押し出します。
- シャンプーとの間隔:皮膚表面の皮脂を伝って有効成分が全身に行き渡るため、投与前48時間および投与後48時間はシャンプーを避ける必要があります。
【猫編】フロントライン猫用の投与方法と注意点
猫は犬以上に体が柔軟で、入念にセルフグルーミングを行うため、滴下位置の選定がさらにシビアになります。
- 滴下ポイント:首の後ろ、頭蓋骨のすぐ下のくびれ部分(首の後背部)の1点に全量を滴下します。肩甲骨付近だと首を回して舐めてしまう個体がいるため、頭部寄りの高い位置が理想です。
- 猫用製剤の厳守:絶対に犬用を猫に転用してはいけません。犬用と猫用では成分比率や容量が厳密に調整されており、重大な中毒事故につながる危険があります。
- 多頭飼育時の隔離:同居猫同士でお互いを舐め合う(アログルーミング)習性がある場合、薬液が完全に乾燥するまでの半日〜1日は部屋を分けるなどの隔離措置を徹底してください。