観光客で賑わう園内。柵の向こうでリンゴやおやつをねだるヒグマたちの姿は、一見すると平和そのものだ。だが、過去に発生した立ち入りや接触にまつわる小規模なトラブル、あるいは他施設での痛ましい事案が混同され、「大事故があったのではないか」という都市伝説的な噂として独り歩きした経緯がある。
現場で実際に起きたこと、そして現場がどう対処したのか。独自取材によると、施設側は軽微なヒヤリハットであっても隠蔽せず、二重三重の防護柵設置や給餌パイプの改良を重ねてきた。過剰に煽られた被害イメージの裏側には、野生動物と人間との距離感を模索し続けた現場の過酷な葛藤が存在する。