クリステン・ベルが演じたアナは、決して完璧な王女ではない。早口で少しドジ、けれど愛ゆえにどこまでも突き進むエネルギーの塊だ。ベルはこの複雑なキャラクター像を創り出すにあたり、自らの性格やコミカルな間合いを徹底的に演技に落とし込んだ。
ディズニー・ミュージカル映画の歴史において、セリフから歌への切り替わりをこれほど自然かつ感情豊かにこなした例は少ない。レコーディング現場では即興のセリフや細かな吐息までが採用され、アニメーターたちがその音声に合わせてアナの表情やグラフィックを細かく調整していったという。まさに声優の演技がアニメーションそのものを牽引した象徴的な事例である。