ロードバイクの空気圧管理で初心者が混乱しやすいのが、空気圧計に併記されている「bar(バール)」と「psi(重量ポンド毎平方インチ)」の単位の違いです。国際単位系(SI)に基づき日本や欧州で広く使われるのがbar(大気圧に近い単位)であり、アメリカ規格発祥のブランドやパーツメーカーで好まれるのがpsiです。
換算基準は1 bar = 約14.5 psiとなります。例えば、メーターで「7 bar」を目指す場合、psi換算では約「101.5 psi」を指します。どちらの単位を用いても問題ありませんが、自身のフロアポンプのメーターで視認しやすい方のスケールを基準として統一することがミスを防ぐコツです。
また、2026年現在のロードバイクメンテナンスにおいて決定的なパラダイムシフトが起きています。かつて主流だった「23Cタイヤに7.5〜8.0 barを詰め込む」セッティングは、転がり抵抗の理論研究が進んだ結果、舗装路の微細な凹凸で車体が跳ねて推進力を失う(インピーダンスロス)ことが科学的に証明され、急速に廃れました。現在は28Cや30Cタイヤに、チューブレスレディであれば4〜5 bar台という劇的な低圧で走行するスタイルが世界のデファクトスタンダードとなっています。
※適正空気圧はライダーの体重によって微調整が必要です。体重が5kg増減するごとに、基準値から約0.2〜0.3 bar(3〜5 psi)程度増減させるのがセッティングの黄金則です。また、前後輪の荷重配分(一般的に前45%:後55%程度)を考慮し、後輪側を前輪より0.2 barほど高めに設定するのがプロメカニック推奨の基本スタイルです。