稲垣の自宅には、ヒロくん専用のベッドやクローゼットがごく当たり前のように用意されている。仕事が終わって稲垣が自宅に帰ると、ヒロくんがすでにリビングでくつろいで料理を作っていたり、ワイングラスを傾けていたりする光景は、彼らにとってごく日常の出来事だ。
「一緒にいてまったく気を使わない」。稲垣は過去のインタビューで繰り返しそう語っている。美意識が高く、プライベートな空間へのこだわりが人一倍強い稲垣が、自室の鍵を渡し、自分の聖域に足を踏み入れることを許した唯一無二の存在。料理の嗜好やワインの好み、静寂を愛する価値観が完璧に合致しているからこそ成立する、奇跡的なバランスと言えるだろう。