85歳の怪物はなぜ今も画面を支配するのか――徳光和夫が体現する「テレビが失った生身の毒と情」

85歳の怪物はなぜ今も画面を支配するのか――徳光和夫が体現する「テレビが失った生身の毒と情」

今注目を集めている 85歳の怪物はなぜ今も画面を支配するのか――徳光和夫が体現する「テレビが失った生身の毒と情」について、主要な情報を整理して公開しています。

午後帯のまったりとした空気のなか、走行中のバス車内で堂々と舟を漕ぐ。同行者が懸命に沿線の見どころを語る横で、完全に意識を手放し、目的地に着いて起こされると「ここはどこだ?」と平然とボケる。バラエティ番組『路線バスで寄り道の旅』で見せるこの姿は、かつてなら放送事故スレスレの所業だった。

しかし、ネット動画や切り抜きが席巻する今、この「おじいちゃんの無防備な居眠り」は究極のリアリティショーとして再評価されている。台本通りのコメントを綺麗に吐き出すタレントが飽和した時代に、徳光の居眠りは演出不可能な純度100%の脱力感を提供する。緊張と緩和。計算して作れるものではない。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。