華々しい評価の裏で、林氏の歩んできた軌跡は決して平坦ではなかった。助監督時代からの徹底した現場主義、商業主義に安易に迎合しない姿勢ゆえの孤立、そして幾度もの企画凍結。日本映画監督協会の古参たちからも「妥協を知らない異端児」と評され、その妥協なき作家性が時に激しい摩擦を生んできたことは業界内でも知る人ぞ知る事実だ。
しかし、その頑固なまでのこだわりこそが、安易な量産型コンテンツとは一線を画す独自の強度を生み出してきた。挫折と沈黙の期間に蓄積されたエネルギーが、今作において一気に解き放たれようとしている。