2000年代後半、ウェブカルチャーの台頭とともに替え歌は大きな転換期を迎える。その中心地となったのがニコニコ動画だ。ユーザーが投稿した動画の上にリアルタイムでコメントが流れるこのプラットフォームでは、ボーカロイド楽曲やアニメソングをベースにした二次創作の替え歌が爆発的に増殖した。
ニコニコ動画から生まれたヒット作の多くは、ネットスラングやゲーマーあるある、受験生の悲哀といった、特定のコミュニティに深く刺さる濃密なテーマを持っていた。動画のコメント欄を通じて視聴者が即座にツッコミを入れ、さらにそれを元にした派生作品が作られる。このクリエイターと視聴者の双方向なやり取りが、作品の面白さを何倍にも増幅させたのだ。
現在、その熱量はYouTubeやTikTokへと引き継がれている。かつてニコニコ動画でアングラな熱狂を生んでいたテキストセンスは、より洗練された縦型動画の文脈へと移植され、数秒で爆笑をかっさらう洗練された映像コンテンツへと進化を果たした。プラットフォームが変われど、ネットカルチャー特有の自由で疾走感あふれる言葉遊びの魂は変わっていない。