結論から明確に言えば、作者である安東みきえ氏が執筆した『星の花が降るころに』の直接的な「公式続編小説」は存在しません。主人公・綾子の中学2年生編や、夏実との高校生活を描いたアフターストーリーといった単行本が出版された事実はありません。
この作品の原作は、2000年に理論社から刊行された安東みきえ氏の短編集『神様によろしく』の冒頭を飾る短編小説です。光村図書の国語教科書には2000年代半ばから中学1年生の教材として採択され続けていますが、教科書に掲載されているテキストは、原作の物語をごく自然な形でほぼそのまま収録したものです。
それにもかかわらず、GoogleやYahoo!の検索窓に「星の花が降るころに 続き」というキーワードが年中打ち込まれ続ける理由は主に2つあります。1つは、綾子と夏実の関係性が完全に修復されないまま「銀木犀の小花が降る生垣」の前で物語が静かに幕を閉じるため、読者が未完結のような感覚を抱くこと。もう1つは、全国の中学校で行われる国語の指導案に基づいた「続きの物語を想像して書こう」という創作ワークシート課題の存在です。公式の続きが存在しないからこそ、読者一人ひとりがその後の行方を推測し、言葉を補う教育的空間が生まれています。