境内の北西角に鎮座する「阿呆賢(あほかし)さん」は、古くから地元で「神占石(かみうらいし)」または「重軽石(おもかるいし)」として畏敬を集める奇石です。この霊石には「病気平癒」と「願掛け」という2つの異なる霊験が宿るとされ、連日多くの人々がその作法に則って真剣に対峙しています。
現地を訪れた際、作法を誤ると正しい神意を受け取れないとされているため、正式な手順を把握しておく必要があります。
【阿呆賢さんの正しい参拝手順】
- 病気平癒を祈る場合:石を手で軽く撫でた後、自らの身体の患部や痛む箇所をさすります。これを複数回繰り返すことで、病気や怪我の快癒が促されると信じられています。
- 心願成就(重軽の判定)を試す場合:
- まず、両手で石を手のひら全体でそっと撫で、一度持ち上げて重さを身体に記憶させてから元の台座に戻します。
- 次に、目を閉じて心を鎮め、掌を合わせながら具体的な願い事を心の中で強く念じます。
- 願いを込めた後、手で石を「ポンポン」と軽く3回叩いてから再び持ち上げます。
- この際、「最初に持ち上げた時よりも明らかに軽く感じられれば、その願いは成就する」、逆に重く感じられた場合は時期尚早であり、さらなる精進や心構えの見直しが必要とされます。
現地での観察取材や参拝者の証言によると、「叩く前は石の芯までズッシリと重かったものが、祈りを捧げた後はまるで中空の木彫りのようにフワリと浮き上がった」という驚きの声が頻繁に聞かれます。心理学的には自己暗示や筋緊張の緩和といった説明がなされることもありますが、この石に対峙する緊張感そのものが、自らの願望に対する覚悟を研ぎ澄ます貴重な内省の機会となっています。