日本テレビ放送網の土曜ドラマ枠で異彩を放ったのが、金子茂樹脚本による『コントが始まる』だ。売れないお笑いトリオ「マクベス」を演じた菅田将暉、神木隆之介、仲野太賀。そして彼らを見つめるファミレス店員役の有村架純、その妹役の古川琴音。まさに世代を代表するトップアクターたちが集結した。
毎話の冒頭に披露されるショートコントが、そのまま登場人物たちの実生活や葛藤の伏線となって回収されていく見事な構成美。夢を諦めること、すなわち「敗北」をどう受け止め、いかにして次の人生へ踏み出すかという痛烈なテーマを、軽妙な会話劇のなかに忍ばせた。痛々しいほどのリアルと、ほろ苦い青春の残照が胸を突く。
菅田将暉が体現したリーダーの苦悩と純粋さは、同時代を生きる若者たちの共感を深く集めた。視聴率という指標だけでは測れない、記憶に深く刻み込まれる名作としての確固たる地位を築いている。