スカウト陣が熱い視線を送るのは、球速や本塁打数といった目に見える数字だけではない。極限状態で見せるメンタルの強さや、ピンチでの一瞬の判断力こそが評価の分かれ目となる。あるスカウトは「秋の神宮で勝負強さを発揮できる選手は、プロの1軍の舞台でも物怖じしない」と明かす。日本野球機構(NPB)の球団関係者たちがバックネット裏でスピードガンとビデオカメラを構え、熱心にメモを走らせる姿は、神宮の風物詩と言っていい。
秋のプロ野球ドラフト会議を終えたばかりの注目選手たちにとって、この大会は己の価値を改めて証明する絶好のプレゼンテーションの場だ。プロ入り前の最後の真剣勝負において、プレッシャーを跳ね返しチームを勝利に導けるか。スカウトたちの裏側の評価は、神宮での打席ひとつ、投球ひとつで刻一刻と変動していく。大学野球ファンが息をのんで見守るなか、ドラフト候補たちの真価が試されている。