もみじ湖(箕輪ダム)は、1992年に治水と利水を目的として沢川に建設された重力式コンクリートダムだ。しかし、この湖が紅葉の名所として名を馳せるに至った背景には、湖底に沈んだ集落の記憶と、住民たちの並々ならぬ熱意がある。
ダム建設に伴い、先祖代々の土地を離れることを余儀なくされた地域住民たち。彼らが故郷への誇りと新たな命を吹き込もうと植樹した苗木こそが、現在の1万本のモミジの原点である。管理を担う一般社団法人みのわ振興公社は、数十年にわたり剪定や下草刈りを徹底し、木々の健康を維持してきた。行政主導ではなく、地域の手で育て上げられた景観だからこそ、訪れる者の心を揺さぶる力強さが宿っている。