大阪府南部(旧4学区など)を中心に、公立トップ校を志望する中学生にとって、桃山学院高校を併願する公立校の組み合わせは長年にわたる鉄板パターンとして定着しています。具体的には、大阪屈指の進学校である天王寺高校や三国丘高校、さらには高津高校や生野高校を受験する層が、滑り止めまたは実力相応校として桃山学院を第一併願先に指定します。
これほど併願先に選ばれる背景には、入試制度に組み込まれている「回し合格システム」の利便性があります。S英数コースを第1志望として出願した場合、万が一S英数の合格基準に満たなくても、英数コースや文理コースの基準点をクリアしていれば下位コースで合格通知を受け取ることができます。これにより、難関公立校に挑戦する受験生が「全落ち」のリスクを回避し、強気の受験戦略を立てられるセーフティネットとして機能しているわけです。
ただし、現場の教育関係者からは注意喚起の声も上がっています。ある大手進学塾の進路指導担当者は次のように実情を明かします。「公立文理学科に不合格となり、不本意ながら併願の私立へ進学した生徒が、入学直後にモチベーションを喪失するケースは少なくありません。桃山学院はその自由度の高さゆえに、挫折感を引きずったまま流されてしまうと、3年後の大学受験で再び厳しい現実に直面することになります」。併願先としての安心感に甘えることなく、入学後の明確な学習計画を思い描くことが不可欠です。