いろは坂通りが世代や国境を越えて注目を集め続ける最大の要因は、1995年公開のスタジオジブリ映画『耳をすませば』の象徴的な舞台背景として描かれている点にあります。主人公の月島雫が図書館へ向かう途中に駆け上がる急勾配のつづら折り坂や、物語の重要な舞台となるロータリー広場、そして段数の多い石段などは、このいろは坂通り周辺の地形がベースとなっています。
作品公開から30年以上が経過した現在も、聖地巡礼(ロケ地巡り)の定番コースとして定着しています。2020年代以降はアニメツーリズムの再評価や、SNSを通じた「昭和レトロと自然が融合した街並み」の写真発信が増加し、若い世代や訪日観光客の来訪が続いています。
聖蹟桜ヶ丘駅周辺の商業エリアから徒歩数分で急激な高低差を持つ丘陵地へと景観が一変するダイナミズムは、東京近郊の散策地としても極めてユニークな立ち位置を確立しています。