秋田料理ちゃわん屋の看板を背負うのが、郷土を代表する名物料理の数々です。一般的な居酒屋チェーンが提供する郷土料理と、同店の皿にはどのような決定的な違いが存在するのでしょうか。
第一に挙げるべきは「きりたんぽ鍋」の完成度です。決め手となるスープは、日本三大地鶏の一つである比内地鶏のガラをじっくり煮込み、芳醇な旨味と透き通った脂を抽出した秘伝の出汁。表面を香ばしく焼き上げた手作りのたんぽは、煮込んでも芯が崩れず、米粒の程よい粒感を残したまま濃厚な地鶏スープをたっぷりと吸い込みます。さらに秋田直送のシャキシャキとしたセリが根ごと投入され、その鮮烈な苦味と香りがスープの深いコクと見事な調和を生み出しています。
第二の主役である「ハタハタ」も見逃せません。冬の産卵期に獲れる雌の「ブリコ(卵)」を持ったハタハタの塩焼きや田楽は、噛むほどに弾ける独特の食感と凝縮された旨味が特徴です。また、伝統的な発酵技術を用いたハタハタ寿司や、しょっつる(魚醤)を用いた繊細な鍋仕立てなど、素材の魅力を知り尽くしたバリエーション豊かなメニュー構成が愛好家を唸らせています。
これらに加え、噛み締めるほどに力強い肉汁が溢れる比内地鶏の塩焼きや、スモーキーな薫香と発酵の旨味が交差する自家製いぶりがっこ、ネバネバとした粘り気がクセになる海藻ギバサなど、秋田の風土が育んだ滋味が余すところなく皿の上に表現されています。