南アフリカ大会の躍進を経て、新たな代名詞となったのが香川真司だ。ブンデスリーガの名門ボルシア・ドルトムントで連覇の立役者となり、世界最高のクラブの一つであるマンチェスター・ユナイテッドへと駆け上がった俊英。アジリティとバイタルエリアでの圧倒的なアイディアで相手守備陣を切り裂く姿は、世界のフットボールシーンを震撼させた。
だが、背番号10として臨んだ2014年ブラジル大会での惨敗は、彼に深い傷痕を残す。「結果を出さなければ意味がない」という強烈な強迫観念と戦う日々。それでも2018年ロシア大会の初戦コロンビア戦、プレッシャーに押しつぶされそうな局面で決め切った冷徹なPKは、静かなる執念の結実だった。歓喜の裏に隠された孤独な葛藤こそが、背番号10を真のエースへと昇華させたのだ。