『さざんかの宿』が180万枚を超える大ヒットを記録した背景には、1980年代前半におけるカラオケブームの本格的な到来がありました。スナックや宴会場を中心に「誰もが気持ちよく歌える演歌」としての需要が爆発し、サラリーマン層から主婦層まで幅広い世代で歌唱される定番曲となったのです。
この特大ヒットを受け、大川栄策さんは1983年の『第34回NHK紅白歌合戦』に念願の初出場を果たしました。デビュー15年目にして掴み取った夢の舞台で披露された魂の熱唱は、お茶の間に強烈な感動を与え、名実ともにトップ演歌歌手の地位を不動のものとしました。
その後も大川さんは1986年まで4年連続で紅白歌合戦に出場し、昭和演歌の黄金期を牽引する存在として大衆に愛され続けました。