なぜ実態のない噂がここまで広範囲に定着してしまったのか。そこには、検索エンジンのアルゴリズムとまとめサイトの共生関係が生み出す情報歪曲の罠があります。
多くのユーザーが「稲葉 山口」と検索する際、検索エンジンは過去の検索履歴や共起語に基づき、「関係」「真相」「不仲」「最新」といった刺激的なサジェスト候補を自動表示します。ユーザーがその刺激的なワードに引かれてクリックすると、PV(閲覧数)至上主義のウェブサイトが「二人の関係には不仲の噂も?真相を調べてみました!」という中身のない記事を量産します。
この循環が繰り返されることで、元々は山口一郎が稲葉浩志を純粋に讃えたポジティブなエピソードだったものが、「何らかの揉め事があったのではないか」という疑念へとすり替わっていったのです。情報の一次発信源(誰が、どこで、実際に何を語ったのか)を確認しないまま、まとめ見出しだけをスクロールして消費するデジタル社会特有の認知バイアスと言えます。