ホワイトデーに贈られるスイーツには、それぞれ固有の「意味」が割り当てられています。その中でも、クッキーが持つ代表的なメッセージは「友達のままでいよう」「良好な友人関係を続けたい」というものです。
この解釈が定着した決定的な背景には、クッキー特有の食感と日常性があります。口に含んだときの「サクサクとした軽い食感」が、ウェットで情熱的な恋愛感情ではなく、さっぱりとしたライトな人間関係を想起させるという心理的連想に基づいています。また、クッキーは家庭やスーパーでも身近に手に入る焼き菓子であり、キャンディ(長続きする愛)やマカロン(特別な存在)のような希少性やドラマチックな演出を伴いにくいことも、カジュアルな関係性を表す一因となりました。
製菓業界の販促史を紐解くと、1970年代後半から1980年代にかけてホワイトデーが国民的行事として定着していく過程で、各メーカーや菓子組合が多様なスイーツに物語性を付与していきました。その結果、以下のような「お菓子ごとの意味付け」が一般に浸透することになったのです。