幹事を任された際、最初に突き当たる疑問が「いつ開催するのが暦やビジネスマナーとして適切か」という点です。結論から言えば、暑気払いを行う時期は二十四節気における「夏至(6月21日頃)」から「処暑(8月23日頃)」までの約2か月間が一般的な目安とされています。特に梅雨明けから本格的な猛暑が到来する7月上旬から8月上旬にかけてが、社内行事としてのピークを迎えます。
そもそも暑気払いとは、文字通り「体に溜まった夏の暑気(熱気やだるさ)を取り祓う」という実利的な目的を持った年中行事です。平安時代の宮中行事や古代中国の年中行事にルーツを持ち、当時は冷やした甘酒や麦湯、瓜(すいか、きゅうり、冬瓜など)、素麺、あるいは滋養強壮に富む鰻を食すことで、厳しい夏を健やかに乗り切ろうとする生活の知恵でした。現代の飲み会においても、単にお酒を飲む口実ではなく「夏の過酷な環境を元気に乗り切るための活力補給」という文脈が根底に息づいています。
混同されやすい「納涼会」との決定的な違いは、その目的にあります。暑気払いが「暑さを能動的に打ち払う・活力をつける」ことであるのに対し、納涼会は「夏の暑さを一時忘れ、工夫して涼しさを味わう」という情緒的な催しを指します。そのため、納涼会は初秋の気配が混じる7月下旬から8月下旬、あるいは9月上旬にかけて行われる傾向があり、屋形船や川床、ビヤガーデンなど「涼を感じるロケーション」を主眼に置くのが特徴的です。