誰の手も借りず、自宅でミリ単位の狂いなく採寸を完了させるには、手順と身体の角度に明確なルールが存在します。用意するものは、目盛りがはっきり読める柔らかいビニール製メジャーと、全身または上半身がしっかり映る姿見の鏡だけです。
採寸は、薄手のパッドなしブラ(またはワイヤー入りの薄いブラ)を着用して本来の位置にバストを持ち上げた状態で行うか、完全な素肌で行う場合は「前かがみ姿勢」を厳格に守ることが鉄則となります。
ステップ1:アンダーバストの測り方(土台の確定)
まず、背筋を自然に伸ばして直立し、足を肩幅程度に開きます。メジャーをバストのふくらみのすぐ下(バージスラインの直下)に当てます。ここで最も重要なのは、メジャーが床と完全に平行になっているか鏡で横・後ろを確認することです。背中側でメジャーが下がっていると、アンダーサイズが実際より2〜4cm太く出てしまいます。息を無理に止めず、自然に吐き出した状態で、メジャーが肌に食い込まない程度にぴたりと沿わせて数値を読み取ります。
ステップ2:トップバストの測り方(ふくらみの頂点を捉える)
トップバストの計測において、ワコール推奨の正しい測り方として広く浸透しているのが「身体を前かがみに倒すテクニック」です。素肌で測る場合、上半身を腰から90度(または45度)前傾させます。こうすることで、背中や脇に逃げていた脂肪と下垂していたバスト組織が前方に集まり、本来ブラジャーのカップ内に収まるべきバスト全体の体積を正確に捉えることが可能になります。乳頭(ニップル)の真上を通り、背中から水平にメジャーを回し、胸のふくらみを決して潰さないようふんわりと添えて測定します。
ステップ3:トリンプのブラサイズ診断に見る「立ち姿勢との比較」
一方、トリンプなどの診断メソッドでは、直立姿勢でのトップ測定と前傾姿勢でのトップ測定を比較し、肉質の柔らかさ(ハリがあるか、流動的か)を見極めるアプローチを重視します。直立時と前傾時でトップバストの差が3cm以上開く場合、バストの肉質が柔らかく脇や背中に流れやすいサインです。この場合は、カップ容量に余裕を持たせ、サイドボーンでしっかりホールドするブラジャーを選ぶ必要性が示唆されます。