代位弁済が行われた後、債務者に残された猶予期間は決して長くありません。時計の針は止まることなく、裁判所が関与する強制執行へと加速していきます。典型的な代位弁済後の流れは以下の通りです。
代位弁済が完了すると、約1〜2週間で「代位弁済完了通知書」および「求償債権一括請求書」が届きます。そこから1〜2ヶ月の間、保証会社や債権回収会社の督促(電話連絡、訪問、警告書)が断続的に行われます。これを無視し続けると、債権者は担保権の実行として地方裁判所へ不動産競売の申立てを行います。
申立てから約1〜2ヶ月後、裁判所から特別送達で届くのが「競売開始決定通知」です。この通知が自宅に届いた時点で、物件の登記簿謄本には「差押」が登記され、債務者が独力で自宅を自由に売却することは極めて困難になります。さらに裁判所の執行官と不動産鑑定士が自宅に立ち入り、室内写真の撮影や間取りの調査を行う「現況調査」が強制的に実施されます。
現況調査から数ヶ月後には競売の期間入札が公示され、落札者が決まれば所有権は強制的に剥奪されます。代位弁済の通知が届いてから競売による立ち退き(強制執行)までの期間は、概ね6ヶ月から最長でも10ヶ月程度です。初動が遅れれば遅れるほど、選択肢は加速度的に狭まります。