説得力のあるポケットインを描くためには、表面の服から描き始めるのではなく、衣服の下にある骨格とアタリを正確に把握する手順が欠かせません。プロの現場では、以下の3ステップでアタリを構築します。
まず意識すべきは腕と肩の骨格構造です。腕の起点は首の付け根ではなく、鎖骨の外端(肩峰)です。手をポケットの位置まで下ろして差し込む場合、鎖骨は水平よりもやや前下がりになり、肩のトップがわずかに前に落ちます。このとき、リラックスしたポーズであれば、重心がかかっている足側の腰が上がり、反対側の肩が下がる「コントラポスト」が自然に発生します。
次に、手の描き方アタリを単純な幾何学図形に置き換えて配置します。
- 第1ステップ:腰骨(腸骨稜)の位置を明確にし、ポケットの入り口の傾きをアタリ線で設定する。
- 第2ステップ:肩から肘、肘から手首までの比率を「1:1」に保ちながら、肘の曲がり角度を90度から115度の範囲で設定する。
- 第3ステップ:手首から先を「薄い台形」または「ミトン状のブロック」として捉え、ポケット口の開口部に半分差し込む。
このアタリ段階で「手首の関節がどこに位置しているか」を可視化しておくことで、衣服を着せた後でも腕の長さが破綻せず、立体感のあるポーズが成立します。