Q1:グラウトと無収縮モルタルはまったく同じものと考えてよいですか?
A1:現場の実務上はほぼ同じ意味で使われることが多いですが、厳密には「流動性の基準」が異なります。無収縮モルタルの中にはコテで塗れるようなやや硬めの材料も含まれますが、グラウトは液体のように自然流動して隙間を満たす「注入専用」の性能が担保されています。狭い隙間に流し込む工事を行う場合は、必ず「無収縮グラウト材」と明記された流動性の高い製品を選んでください。
Q2:グラウトを流し込んだ後、何時間(何日)で荷重をかけられますか?
A2:標準的なセメント系グラウト材の場合、気温20℃環境であれば打設後約24時間で軽作業ができる強度(約20 N/mm²)に達します。ただし、大型機械の設置や柱脚の本締めなど、設計上の本格的な荷重をかけるには通常3日〜7日以上の養生期間を見込むのが安全です。冬場(5〜10℃)の場合は反応が遅れるため、さらに2〜3日長い養生が必要です。工期を急ぐ場合は、数時間で実用強度に達する「超速硬型グラウト」やエポキシ樹脂系を選定します。
Q3:グラウト材を手で練り混ぜて施工しても大丈夫ですか?
A3:基本的に手練りは推奨されません。グラウト材には特殊な膨張材や減水剤が微量に含まれており、手作業のスコップ練りでは粉体と水が分子レベルで均一に分散せず、部分的な膨張不良や強度不足を引き起こします。電動のハンドミキサー(撹拌機)を使用し、規定回転数で指定された時間しっかり混練することが性能を発揮させる絶対条件です。
Q4:施工時に余ったグラウトを薄めて、コンクリートのひび割れに塗っても効果はありますか?
A4:絶対に避けてください。水を足して薄めたグラウトは、強度が著しく低下するだけでなく、乾燥収縮を起こして塗布面からパリパリと剥がれ落ちてしまいます。ひび割れ補修には、ひび割れ専用のエポキシ樹脂注入材や、専用のポリマーセメント系補修材を使用する必要があります。