声優ファンにとって、土屋神葉の名を決定づけた代表作といえば、2017年に放送されたテレビアニメ『ボールルームへようこそ』の主人公・富士田多々良役です。社交ダンスの世界に飛び込み、葛藤しながらも覚醒していく不器用な少年を、生々しい息遣いと瑞々しい叫びで見事に演じ切りました。
当時のインタビューで本人は、自身が幼少期からバレエに親しんでいたからこそ、「肉体を極限まで使うことの苦しみと美しさ」に深く共鳴したと語っています。この作品で確立した感情の爆発力は、その後の『荒ぶる季節の乙女どもよ。』(典元泉役)、『バクテン!!』(双葉翔太郎役)、『群青のファンファーレ』(風見駿役)、そして『響け!ユーフォニアム』シリーズ(月永求役)といった重層的な役柄へと繋がっていきました。
声の芝居で鍛え上げられた感情表現は、実写の舞台でも爆発的な相乗効果を生んでいます。身長170cmの均整の取れた体躯から繰り出される殺陣のスピードと跳躍力は、幼少期からの厳しい身体訓練があってこそ。セリフの一言一言に体重を乗せられる俳優として、舞台関係者から「今もっともアクションシーンを任せたい表現者の一人」と評される理由がここにあります。