2000年代以降、呪いの描写はアニメーションの世界でも大きな変化を迎える。その金字塔と言えるのが『地獄少女』だ。作中では、首元に赤い糸が結ばれた黒い藁人形が登場する。依頼人がその糸を解くことで地獄通信との契印が結ばれ、ターゲットは即座に地獄へ流されるという設定だ。
「人を呪わば穴二つ」という倫理的な自己犠牲の代償を可視化したこのギミックは、従来の恐怖政治的な呪いから、選択と対価という現代的なテーマへの転換を決定づけた。視聴者は怨念の恐ろしさと同時に、切ない人間の業(ごう)を感じ取ることとなった。