「現役を退いてからの方が、スケートの奥深さに気づかされる毎日です」。独占インタビューの冒頭、彼女は屈託のない笑顔で語り始めた。競技解説者としての最新の取り組みについて尋ねると、瞳に宿る熱量が一段と増す。試合前の選手の表情、ウォーミングアップでの微妙な刃の滑り、マイクに乗らない呼吸音まで、彼女の観察眼は細部にわたる。
本番数分前、解説席に座る彼女のノートには手書きの情報がぎっしりと詰まっている。選手個々の癖や今季のプログラムの変更点、練習での着氷成功率。徹底した事前取材と分析があるからこそ、生放送の突発的なアクシデントにも即座に対応できるのだ。知られざる舞台裏には、プロフェッショナルとしての徹底した情熱が流れている。