石原慎太郎氏を語る上で欠かせないのが、国民的大スターとなった弟・石原裕次郎氏との関係です。実は、昭和のアイコンとなった「石原裕次郎」の魅力を最初に見出し、世にプロデュースしたのは兄・慎太郎氏でした。
『太陽の季節』の映画化に際し、映画の雰囲気に合う若者を探していた現場に慎太郎氏が弟の裕次郎氏を推薦したエピソードは有名です。さらに、裕次郎氏の本格的な映画主演作となった『狂った果実』では、慎太郎氏自らが弟のために原作・脚本を書き下ろしました。
知性派として時代のオピニオンを切り拓く兄と、無邪気な笑顔と天性の甘さで大衆を魅了する弟。互いを深く愛し、時にライバルとして意識し合った2人の関係は、昭和の芸能史・文化史において唯一無二の光を放っています。他者の才能の原石を瞬時に見抜き、時代の主役に押し上げる眼力もまた、慎太郎氏の非凡さを示す一幕でした。