古いボルトを無事に除去した後は、母材側のネジ穴を整え、新しいスタッドボルトを正確に組み付ける工程に移ります。ここをおろそかにすると、次回の分解時に再び激しい焼き付きを起こしたり、締め付け不良による排気漏れやヘッドガスケット抜けを誘発します。
まず、母材のネジ穴内部に残った古いサビやカスを取り除くため、同サイズのタップを通すかパーツクリーナーとエアブローで徹底的に清掃します。新品のスタッドボルトをねじ込む際は、スレッドコンパウンド(銅粉やアルミ粉を配合した耐熱焼き付き防止剤)やアンチシーズペーストをネジ部に薄く塗布するのが確実な予防策です。これにより、排気熱による金属同士の分子間凝着を防ぐことができます。
スタッドボルトの締め込み深さとトルク管理にも重要なルールがあります。スタッドボルトは一般的に「奥まで手締め+ダブルナットで規定の軽いトルクで底付きさせる」のが基本であり、スタッドボルト自体を親の仇のように強く締め込む必要はありません。最終的な締結力は、上から取り付けるナットをトルクレンチを用いて規定トルクで締め付けることによって発生します。組み付けの基本を守ることが、将来のメンテナンス性を担保する最大の防御策となります。