アクエリアスとポカリスエットの根本的な差異を理解する鍵は、「浸透圧(Osmotic Pressure)」と「開発コンセプト」の2点に集約されます。
1980年に誕生した大塚製薬のポカリスエットは、輸液(点滴液)のトップメーカーとしての知見を結集し、「飲む点滴」をコンセプトに開発されました。人間の安静時の体液浸透圧(約285mOsm/L)とほぼ等しい「アイソトニック(等張液)」に調整されており、ナトリウムをはじめとする電解質とブドウ糖のバランスが、小腸粘膜での水・電解質同時輸送機構(SGLT-1)を極めて効率的に働かせる設計となっています。
一方、1983年に登場したコカ・コーラ社のアクエリアスは、アクティブなスポーツシーンでの水分補給とリカバリーを念頭に設計されたドリンクです。体液よりも浸透圧が低い「ハイポトニック(低張液)」寄りの浸透圧(約180〜200mOsm/L)に設定されているため、激しい運動や大量発汗によって体液濃度が薄まった状態でも、胃から腸へ素早く移行しスピーディーに水分が吸収されます。さらに、エネルギー産生を助けるクエン酸や、筋肉の分解を抑えるアミノ酸(BCAA・アルギニン)が配合されている点が際立つ特徴です。