2017年秋、花田優一が結婚を発表した相手は、相撲ファンなら誰もが知る八角部屋所属の陣幕親方の娘、矢木麻祐子だった。二人の馴れ初めは靴のセミナーだったとされるが、相撲界においてこの婚姻が持つ意味はあまりに重かった。かつて日本相撲協会を揺るがした貴乃花部屋と協会幹部らの確執の真っ只中にあって、両家の婚姻はまさに禁断のロミオとジュリエットを彷彿とさせる出来事だったからだ。
名門同士の結びつきに世間は祝福の声をあげた。しかし、当の本人たちを取り巻く現実は冷ややかだった。日本相撲協会内部の複雑な人間関係に加え、まだ20代前半の若さで職人としても芸能人としても足場を固め切れていなかった優一の未熟さが、早くも新婚生活に影を落とし始めていた。