アニメ『ポケットモンスター サン&ムーン』でのテーマ曲を手掛けたことは、彼のキャリアにおいて極めて重要なマイルストーンとなった。「ポーズ」や「ジャリボーイ・ジャリガール」など、子どもたちが無条件に踊り出し、同時に大人の琴線にも触れるメロディライン。そこには、ただ奇をてらうだけではない、大衆音楽の王道を真っ向から射抜くソングライティングの才能が証明されていた。
子ども向けのアニメーションからシリアスな劇伴制作、さらには他アーティストへの楽曲提供に至るまで、彼の手がけるメロディには一度聴いたら耳から離れないフックがある。難解な音楽理論をこれ見よがしにひけらかすことは決してない。しかし、そのコード進行や転調の妙味には、音楽通を唸らせる高度な仕掛けが幾重にも張り巡らされている。この間口の広さと奥行きの深さの共存こそ、彼の真骨頂だ。